那須岳 04年4月3日(土)

コース:那須岳登山指導所〜峰ノ茶屋〜朝日岳〜三本槍岳〜
     〜峰ノ茶屋〜茶臼岳〜峰ノ茶屋〜那須岳登山指導所



前夜、道の駅那須高原で車中泊。
翌朝5時に起き、ボルケーノハイウェイを通りロープウェイ山麓駅を過ぎ、
車道終点にある大駐車場に車を停める。
すでに何人か登山の準備をしている人たちがいる。
下と違い空気が冷たい。冬山装備を準備し、6時30分出発。



駐車場からは日の出が綺麗に見えた。
空気が冷たく、雲の流れも速かったのでコリャ
心配だなぁ・・と思い、オーバージャケット、パンツ
を着た。

準備をしていた人達が次々と出発していく。
私も慌てて準備し(これがいけなかった)出発。
駐車場脇から登山道に入るともう雪なので
さっそくアイゼンを装着。

登山指導所の脇を通ると、無数の踏み跡が
あるので、それを辿って締まった雪の上を歩く。
樹林帯を抜けると、茶臼岳が現れる。
天気はいいが、風が強い。

途中露岩帯に入ると一旦雪が無くなったので
アイゼンを外し、夏道を見つけ進む。



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しかし、露岩の道はやがて凍りついたツルツル
のバーンとなり、オマケに強い向かい風に煽られ
足元がおぼつかない。

我慢して歩いたが、アイゼンを再装着。
すると嘘のようにガンガン進めた。

先行者が早くも下山してきた。
諦めたのかな?
峰ノ茶屋へ到着。
噂には聞いていたが凄い強風・・・
小屋の影に隠れ、小休止。

登ってきた道を振り返ると、中々前に進めない
パーティーや、下山者に諭されたのか諦めて
引き返す人もいた。先が思いやられる・・

ストックをピッケルに持ち替え、小屋影から
一気に飛び出し、フラつきながら鞍部を抜けた。
朝日岳の南面。

ニセ穂高と呼ばれてるらしいが、
確かに良く似ている気がする。

那須岳にあまり期待していなかったせいか、
迫力にいい意味で期待を裏切られた。

それにしても「ニセ」穂高って、失礼だー
峰ノ茶屋の鞍部を抜け、南面に入ると風も無い。
するといきなり雪の斜面が現れた。
踏み跡もない・・稜線に道がついてるとは思え
ないし、この風では無理だろう。

夏道がこの下に隠れているのかなと思い、雪崩
が恐かったが思い切って斜面をトラバースした。
初めてピッケルをまともに使ったかも。

写真は帰りに撮ったものです。
鎖のついた岩場を何箇所か越え、ちょっぴり
ヤバいトラバースを進む。
東面には遠くに男鹿山塊(たぶん)が見える。

自衛隊が作り、観光用道路として計画された
幻の塩那道路があるのだが、いつか歩いて
みたい。



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北面手前に隠居倉、奥に大倉山方面の
山脈か?

だんだん雲行きが怪しくなってきた。
朝日岳の肩へ到着。

ここも風が強い。鞍部になっているとこは
どこも風の通り道になってるようだ。

朝日岳を見上げながら、ひと登り。
那須連山標高2位、朝日岳。
後ろは茶臼岳。

狭い山頂でやっとの思いで記念撮影をする。
茶臼岳を望む。



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出発した駐車場を眼下に見る。
朝日岳を後にし、三本槍岳へ向かう。
清水平への稜線は風が強く、難儀する。

熊見曽根で隠居倉との分岐をわけ、
アップダウンを繰り返しつつ稜線を歩く。

後ろに三本槍岳を望む。
名無しのピークから清水平を見下ろす。
広い平原なので、ガスったらヤバそうだ。

晴れ間もすっかり無くなり、ホワイトアウトに
でもなったら大変だなと心配になったが、
行けるとこまで行こうと思い前進。

帰りに迷わないよう、わざと踏み跡を大きく作る。
名無しピークから一気に下り、清水平へ到着。
相変わらずガスり気味だ。

ここの道標から三本槍岳まで35分となって
いたので、よし行こう!と決めた。

しかしここまでトレースが全く無かったが
それほど人が入らないのかなぁ・・
スダレ山の右手を巻きながら、何度も後ろを
振り返り地形を頭に入れる。

・・・といっても、広い雪原は目標物が無い。
こりゃガスったらヤバイよ〜と思いつつも
前進を続ける。

緩やかな斜面を何だか焦りながら登る。
途中夏道を見失い、笹原を踏み抜きながら
山頂へ向かう。
那須連山最高点(1917m)、三本槍岳到着。

ガスで何も見えません。
一等三角点があります。
4月ですが、エビのしっぽも健在です。
ちっちゃいけど。
まだまだ冬だなと実感。

記念撮影して、早々に退散。

自分の踏み跡を必死に追いながら
(冷静になればそんな酷い天候じゃ
なかったけど、気が焦っていた^^;)
元来た道を戻る。
清水平へ戻り、再び朝日岳目指して進む。

清水平から名無しピークへはひと登り
しなければならず、しんどー
熊見曽根辺りから朝日岳を望む。
茶臼岳を望む。



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朝日岳の肩で二人組みとすれ違った。
ちょっと心強いなぁ。
朝日岳の肩から峰ノ茶屋へ戻る。
鎖の岩場をトラバース。
朝日岳を振り返る。
南面のトラバース。
再び雪面のトラバースへやって来た。

アイゼンピッケルを効かし、
慎重かつ足早に通り抜ける。
再び峰ノ茶屋に戻ると、朝ほど風は強くない。
休憩しようと思ったが、3人組がいて
居づらかったので休まず茶臼岳へ向かう。

ここまでで結構疲れてしまった。
あとはダラダラ歩こう・・

茶臼岳へ向かう斜面から峰ノ茶屋を振り返る。
茶臼岳の斜面にはモクモクと噴煙があがる。
硫黄の匂いが風に乗って漂う。
(家に帰るまで顔が硫黄臭かった)
岩のペンキマークを見つけながら
足取り重くダラダラ進む。

途中岩陰に隠れ、小休止。

朝日岳方面を振り返る。



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那須は風が強いので、雪はあまり積もらず
露岩帯が続くようだ。
山頂も近くなってくると、火口が見渡せた。
底の水は凍っている。
12本歯アイゼンで雪が無くなった露岩帯を苦労
しながら歩くと、やがて那須岳神社へ到着。

茶臼岳の標柱と三角点を探したが、
どこにも見当たらなかった。
一緒に居た人の話だと、以前には神社は
なかったそうだ。

ここが茶臼岳最高点と判断し、記念撮影。
一瞬だがこんな状態にも何度かなった。

山頂にいた人達はみな軽装で、完全冬山装備
の自分は何だか浮いてる気分・・・

しかしまだまだ冬山の様相なので、軽装では
危険だろ〜と思う。
山頂を後にし、疲れたので惰性で下っていく。

ロープウェイ山頂駅を見下ろす。
峰の茶屋避難小屋は、小さな高窓から
入れるようになっている。
中は小奇麗だ。

風の影響か、外の扉のガラスが割れていた。
来た道を戻り、駐車場を目指す。
ここからは40分ぐらいで着くだろう。

まだまだ登って来る人達とすれ違う。
三斗小屋温泉に行くのかな?
森林限界を過ぎ、雪の積もった樹林帯を
駆け下りる。

途中にある東屋はご覧の通り。
再び駐車所へ戻ってきた。
12時46分到着。

幸いホワイトアウトにはならなかったものの、
装備類は万全で望まないと危険だし、
心臓にも悪いなぁ・・と思い知った登山でした。

今シーズンの雪山で一番大変だったかも・・
精神的にも疲れました。



そして事件発生。
装備を片そうと車の鍵を開け、キーを差し込み回すものの、何の反応もなし・・

これは一体どうしたことか〜と思うと、ガビビ〜〜ン!!!
スモールライトのスイッチが点けっ放しになっているではないか〜
すっかりバッテリーがあがってしまいました。

放心・・・

停めていた場所は携帯が通じず、ロープウェイ乗り場へ15分程歩いて下り電話。
1時間半後、JAFのおじさんに来てもらいました 泣。
9700円也。

JAFのお世話になったのは、乾徳山に続き2回目です。
つくづく自分の不注意さにガックリしつつ、4号バイパス爆走し埼玉の自宅へ帰りました。





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