北アルプス・表銀座縦走 7月28〜30日 (2泊3日)


3日目(7月30日) 大天荘〜西岳〜槍ヶ岳(槍岳山荘テント泊)

変更→大天荘〜燕岳〜(合戦尾根)〜中房温泉

午前2時、目が覚めると強い風と雨でテントがバサバサ音たててる。
しばらく横になっていたが、段々風も激しくなって突風が吹くたびにテントが歪む状態に・・
体で抑えてないと吹き飛ばされそうだ。

もう眠れそうにないのでアルファ米でもつくろうかと、水を入れてチャックを閉めたその時、
「コキッ」と鈍い音と共に、突然雨の音が大きくなったと思ったらテントが歪んでしまい、雨が入ってきて
装備をを水浸しにしてしまった。

アンカーにしていた石が外れフライが外れたようなのだが、今テントを出れば
間違いなくテントは吹き飛んでしまうので出られない。
とりあえずゴアのシュラフカバーに寝袋や色んなものを突っ込んで濡れないようにして
カッパを着込み、しばらく耐えることにした。

ポールは異常ないようだが、何故かテントが自立していない・・?
「うーんどっか壊れたのかなぁ」と中で色々想像してみるものの、とにかく吹き込む雨と爆風に耐えるので精一杯。
「何でこんな目に・・トホホ。」と嘆くも、どうしようもない。

一瞬風が弱くなり隙をついて外に出る。フライがすっかり外れて前室に置いてあった
靴が水浸し・・・あー最悪。

びしょびしょの靴をはいてヘッドライトを頼りにテントを調べると、ぬぬ〜ポールが折れているではないか!?
買ったばかりなのに〜、何がスカンジウムで強度があるだよ、折れちゃったじゃないか!
と嘆いても仕方なく、ただ呆然とするしかなく、またテントに潜り込んだ・・

ひたすら20分ぐらい耐えたものの、段々辛くなってきて、小屋へ避難しよう決心し、必死の思いでパッキング。
荷物を突っ込むだけ突っ込んで小屋へ逃げ込むことにした。

外に出て、フライと本体は適当に丸めてしまい、ペグも適当に集めて小屋へ緊急避難。

ちょうど起きて来た小屋の方に事情を説明し、入り口の片隅に居させてもらうことにした。
今前線が通過しているとのことだった。トホホ・・
寒さでガタガタ震える。小屋の中からは朝食の準備で暖かな匂いが・・
小屋泊りの登山者が時折トイレに起きてきて、外を眺めては「結構降ってますねぇ・・」なんて言ってる・・。
小屋の中は平和そのもので、ずぶぬれの自分とのギャップが激しく、凄〜く虚しかった・・
情けないけど、この時はホントに「もぅおうちに帰りたいよぅ」というのが本音でした。

しかし泣き言いっても仕方ないので、今後のことを考えるが、槍まで行くこと諦めたくなかった。
しかし現状を考えると、テントの補修パーツは持ってないし、知識も無い。
明日は小屋泊にするにしても、たどり着く気力が無い・・「残念だけど撤退だー」

小屋の人に一番近い下山ルートを聞いて、中房温泉に下ることに決めた。
常念乗越から下るのも変わらないそうだが、来た道を戻るのは気がめいる。

手間取りながらもザックのパッキングをやり直し、残したペグを回収して5時20分頃撤収。
後で気がついたが、コッヘルをどこかに吹き飛ばされたらしく、紛失した。

燕岳への道は最初岩だらけでストック使いながら慎重に
下る。途中朝食変わりにカロリーメイトを食べ、ひたすら進む。
これから進む稜線もガスで、小雨が次第に
まともな雨になった。

レイングローブは始め調子よかったが、時間が経つと
ビショビショだ。

悪天候にも関わらず、燕岳から来た登山者と沢山すれ違った。

3時間以上かかって燕山荘到着(写真)。相変わらずガス。
せめて表銀座縦走を完結させるためにも燕岳まで
行きたかったが、疲れと気力で足取りは重い・・

それにこの天気で登っても何も見えないなら意味ないな・・
と思い、小屋の人にバスの時刻を聞いて中房温泉に
下ることにした。

途中木の階段で、段差の間に足を挟みすっ転ぶ。
思い切りひねったが、幸いなんでもなかった。
不幸中の幸いだ。だいぶ疲れていたのだと思う。

1時間ちょっとで合戦小屋(写真)到着。
登って来た登山者でいっぱいだった。
おねいちゃんが名物のすいかを売っていた。

カロリーメイトとカキPを食べ、12時15分発のバス目指し下山開始。

合戦尾根はホントに急で、足の裏が痛くて辛かった。
膝が心配だがストックを使いガンガン下る。
それにしても随分沢山の登山者とすれ違った。

中房温泉に12時10分着。5分前にギリギリセーフ。

中房温泉からマイクロバスで穂高駅まで1時間。
少し酔って辛かった。穂高駅に着くと疲れと空腹と酔いで
ヘロヘロ。上高地まで車回収に戻るのがしんどかった。

大糸線で松本まで行き、そこから松本電鉄で新島々へ。
何だか下界はいい天気だぞ!?梅雨明けかな。

何となく電車で旅してるようで、新鮮な感じだった。

←松本駅・松本電鉄ホーム

新島々駅に降りると、夏の空(写真)

バスの車窓から気持ちイイ風と高原気分を味わいながら
5時頃沢渡到着。
中房温泉からここまで5時間近くかかった。

車に戻り荷物を整理し、キャラメルコーンを一気食い。あー疲れた。

何となく後ろ髪引かれる思いで松本を後にしたが、近いうちにまた
リベンジ出来たらなぁ・・と思いながら
眠たい目を擦りつつ自宅まで戻りました。

初めての北アルプスデビューはホロ苦デビューとなってしまいましたが、
まぁこれもよい経験だと思いたい?です。
知り合いに「無事に帰れば酒の肴だよ」と言われ、そう思えるようになれればいいなと思いました^^;

おわり

 

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